私が今のお仕事で、開業するに至った経緯をお話ししたいと思います。今回は、行動の後押しになった1枚のお手紙についてお話しさせてください。
子どもの食の悩みの原因とは?
子どもの食と親子の関わりを伝えながら、子どもの食事で悩む周りのママたちの相談を多く受けるようになりました。
子育てママの話を聞く中で【食で悩む原因】が、日頃の食習慣にあるだけでなく、ママが一生懸命になりすぎていることにも大きな原因があることが判明!
親子で一緒に楽しめる食の関わり方
子どもの心が育つ親子関わり方を
日常に取り入れてもらいたい・・・
楽しくおいしく食べて笑顔になれる食卓をたくさんのママや子どもたちに伝えたい・・・
そんな想いが自然と湧き上がっていきました。
それと同時に私一人が動いても、この想いは広がらない・・・
そう感じるようにもなりました。
一枚の手紙と偶然
そんなとき、
たくさんの気付きを与えてくれる偶然が次々と起こります。
ある日、家族がおいしいといってくれた料理のレシピを記録しているレシピノートの間から、小さく畳まれた1枚の手紙が出てきました。
そこには殴り書きで、こんなことが書かれてありました。
『これからどんな人生を歩んでいきたいの?
何が好きで、どんなことに幸せを感じるの?』
さらに、その問いに対するする想いが
食・子ども・夢・繋がり・広める喜び
これらのキーワードとともに殴り書きの絵やことばで、それはそれは夢のような構想が書かれてありました。
「何これ・・・!?」
これが私の第一声でした。
なんで私のレシピノートから?
しばらく考えて記憶をたどり、その手紙の主がわかりました。
それは紛れもなく、28歳の頃、わたしが描いたものでした。
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28歳の頃、わたしは料理修行で料理研究家の先生に弟子入りをし、横浜に住んでいました。
ある日その師匠にこんなことを言われたのを思い出しました。
「けいこちゃんはどうなりたいの?」
答えられませんでした。
「食で人と繋がることが好き!食で人を幸せにしたい!」
高校時代から漠然と思い描いていたこの想い。
この想いだけで具体的なものがまったくイメージできなかったのです。
その夜一晩中考えました。
そして次の日の朝、目を覚まし、殴り書きのように書いたのを鮮明に思い出しました。
それがまさに、この一枚の紙切れだったのです。
その後、30歳になったわたしはフランスへ自分探しの旅に出ました。
レストランの厨房で働かせてもらったり、赤ちゃんのベビーシッターをしたり、ホームステイ先で子どもたちに料理を教えたり、そんな経験をしながら2年を費やしました。
そしてわたしがたどり着いた “食のカタチ” は
とてもシンプルでした。
それは、“みんなが笑顔になれる食卓”
高級レストランのように豪華な料理でなくてもいい
カフェのようにお洒落じゃなくてもいい
体がほっとする心をかけた手作りのごはん
それを囲む人たちが自然と笑顔になれる
そして体が元気になる
そんな“食”が好きなんだ!と気付いたんです。
子どもの頃に味わった、お母さんのごはんとその食卓を重ね合わせ、感謝の気持ちが溢れ出しました。
シングルマザーだった母は、養育費をもらうこともなく、子どものために必死に働いて、仕事から帰ってきても上着も脱がずにそのままキッチンに立ち毎日手作りのご飯をつくってくれました。
そうやって作ってくれたお母さんのごはんが一番大好きだったんです。
そのことに気付いてから日本に戻り、料理講師になりました。
“世界中に笑顔のある食卓を”という想いのある仲間たちに出会い、食で人を幸せにする仕事に出会い、生徒さんたちが誰かのために料理を学ぶ姿、学んだ料理を彼や旦那さん、子どもたちに作ってあげたと喜ぶ姿、誰かの幸せのために、料理を教えるという仕事、働き方に生きがいとやりがいを感じていました。